とまぁ、「JANE DOE」に関してはそれなりにちゃんと聴いてるつもりなんだけど、それでもまだしっくり来ていない。曲の出来には文句ないんだけど、制作プロセスに関してね。先日の二人の対談で、
『そのまんま歌おうとすると、米津さんのモノマネみたいになっちゃって。しかも私にとっては不自然な歌い方になっちゃうから。』
https://www.vogue.co.jp/article/kenshi-yonezu-hikaru-utada-jane-doe-1
とヒカルパイセンが言ってる以上、彼が用意したパートはそのままだと「宇多田さん向けではなかった」ことになるしな。いや実際、出来上がりを聴いても「米津玄師ならではのメロディと歌詞に宇多田ヒカルがアジャストして歌ってる」という感想になったわけだし。
じゃあ米津さんはヒカルの何を「誤解」していたのか?が疑問になるのだが、これの助けになりそうなのが彼が好きな宇多田曲が『FINAL DISTANCE』や『誰かの願いが叶うころ』だという情報。ならば恐らく『Be My Last』や『桜流し』もお好きだろうねと考えると、ドレスアップしてスタンドマイクで歌うヒカルさんを想像してるのかなと。
だとすると、「時期が悪かった」という見方も出来なくはないんだな。『Laughter In The Dark Tour 2018』の頃のヒカルさんならもう少しアジャストの方法論が違ってたかもしれないのだ。でも、2025年なんですよもう。SFツアーを経たヒカルさんは完全にアクティブ・モードだから。それでいて『Mine or Yours』をしっとりと歌い上げたり『First Love』をファースト・テイクして過去最高と絶賛を浴びたりまぁ凄く振れ幅のデカい歌手さんなんだけど。
ただ、それは横浜公演をみてたら米津さんもわかってたと思うんだよね。『DISTANCE (m-flo remix)』について、
米津:「ひとつにはなれない」って言いながら、すごく楽しそうに、多幸感あふれる感じでやってらして。」
って言ってた指摘は「よく聴いてるなぁ」とこちらが感服する程だったし、一を聴いて十を知る彼なら今のヒカルさんのモードは知っていた筈。まぁ「JANE DOE」の制作時期がいつかは知らないんだけど彼の恐ろしい忙しさをみるに今年に入ってからだわよねぇ? うぅむ、やはりわからん。
残念ながら?歌詞のアプローチからしてヒカルさんは「レゼ役」を全うしたことで、今後「チェンソーマン」に関わることはないから2人の再演をこの続きで望むことは叶わなそうだけど、またどこか他の場所でやってくれないかしらね? 2人の戸惑いっぷりは対談からよくよくわかったと思うけど、それでも出来たのが「JANE DOE」なんだから寧ろこの2人のカップリングは「末恐ろしい」レベルなのだと思うし。お互いの距離感や役割分担がわかった上で制作をスタートした場合もっととんでもないものが出来上がると確約されたようなもんでない? これで終わるには余りにも惜しいので、未来に希望を持っておく事にしますわね。